Smap Vest 仁科克基 BL小説


……シンクに、カップの破片が散らばる。「菱屋はどういうつもりなのか…」。なにも予定が入っていない休日であれば、目覚まし時計をセットすることなく、朝寝坊を決め込んでゆっくりと睡眠(すいみん)を貪(むさぼ)るのが普通になっている。パンドラが馬車を横付けした正面玄関で、ユダに付き添うと言ったルカだが、最後には見送る立場になってしまったのを悔いているようだった。戸惑う和弥の腰を少し浮かせ、呼吸に合わせて岡崎は自身を突き入れる。(あ、やべっ)自分に急に声をかけて驚かせた男の存在を思い出し、ぱっと口に手を当てる。

「二狼こそ……如月夏子となにがあった?」。

妄想の中に登場する悠仁は、力強く抱きしめてくれるし、熱いキスもしてくれるが、それだけでは終わらない。二狼の唇も、もっと深い交わりを要求してくる。「あの……さ。ボク、今日はちょっと……」。ありがとう……と耳元で囁かれ、感極まって涙がぽろぽろ零れてしまった。泰昭の方から、場が持つ提案をしてくれたのに感謝して、水穂は自分もミニバーに立った。それだけいうと彼女は部屋を去り、後には星野だけが取り残された。「なにが?」。

「切ったのか?」。俺は羞恥を押しのけて、史朗の味がベットリ染みついている唇を舐めた。目を見開いて、実生はカチーンと固まった。トオルの予期せぬ登場に驚いた飯島も、すぐに嬉(うれ)しそうに微笑(ほほえ)んでみせた。

「あっ…!」。「紅茶を」。

吸わない、ではなく、嗜まない、ときた。できれば必要に迫られる仕事以外では、パソコンなど使いたくないと思っているトオルだが、会社の先輩から勧められ、CG(コンピュータグラフィックス)のコンペに参加すると決めたのだった。


ボーイズラブ小説作品紹介


15年振りにスイスから帰国し、日本に馴染めずにいた高宮は、ある日、珈琲の薫りに誘われて一軒のカフェへと辿り着く。そこで出会った優雅で美しいギャルソン・楽に次第に惹かれていき――。※イラストは含まれていません。

タイトル:カフェラテの純愛
著 者 名:剛しいら
レーベル:B−cube
発 行 元:フロンティアワークス

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